探し物はなんですか?見つけにくいものですか?
大学生の頃は悩みもそんなになく、「あの頃は楽しかったなぁ」と思えるスーパーモラトリアムでした。その他に楽しかった時期はいつだったかと考えたとき、僕は小学生の頃を思い出します。
あの頃は遊ぶのが仕事だったと今は思います。ドッジボール、野球、ひみつきち、トランプ、UNO、ちょろげボール、探検ごっこ…etc
特に野球は一時期ほぼ毎日やってて、カミナリ親父の家にホームランブチ込んでよく怒られてました。
昼休み中は必ずドッジボール。僕は車イスの友達を護る「うっちー防衛隊」の一員でした。
ちょろげボールも流行りました。これは全国でも社会現象になったのではないでしょうか?
…え?ちょろげボール知らない…?…え?
あれか、地域によって呼び名が違うパターンのやつですね。まぁ昔の遊びって呼び名が定まってないメジャーな遊びって多いですしね。指スマとかと同じ括りですかね?
さすがにイメージ画像見たらわかります?
これです。
世間の流れと同じく、当然うちのクラスでも大流行。やっぱりうちでは基本の遊び方が主流でしたね。休み時間でちょろげボールをぶつけ合って最後に持ってた人は授業中机の上に置いておくっていうね。当たったのがチャイム鳴る前か後かでよく揉めるやつね。
思い出してきました?懐かしいでしょう?
たまに趣向を変えて、飛距離を競ったり、振り回したり蹴ったり、公式の遊び方は一通り試しましたね。
そんなちょろげボールがある日無くなりました。クラス内は大騒ぎ。すぐに総会を開き、有識者会議を執り行いました。
そこで我々は「ちょろげボールがなくなりました。心あたりがあるひとは◯年△組に持ってきてください」と書いた紙を学校中に貼って回ることを決定し、上級生のフロアにも遠慮なく貼って回りました。
監獄「学び舎」には印刷技術がなかったので1枚1枚手書きでした。途中でふざけ始めて、カタカナで宇宙人語みたいに書いたり、語尾にハートマークをつけたりしました。今思えばこれが僕の人生最初で最後のネカマだったのかもしれないですね。
数日後、HRの時間で担任が「誰が貼ったんや」と金剛力士像みたいな顔で例のポスターを取り出しました。
僕たちは皆、山田寺仏頭みたいな顔になりました。
怒られた理由は宇宙人語で「モッテコイ」と命令口調にしたことです。書いたのは僕ではありません。だけど仲間なのでみんなで仲良く怒られました。
結局ちょろげボールは最後まで見つかりませんでした。全数回収案件となった学校中の貼り紙を使ってすぐに新しいちょろげボールを作りました。探す意味は全くなかったわけです。